Mini Jackに行ったゾの日(々)
04/21-04/22/2001

04/21(土)2001 晴
待ちわびたMini Jackである。米子かたつむり組は23:59米子インター集合、明日午前0時発だというので合流することにする。
どうせ2時頃まで仕事していたのでそのまま起き続けて昼頃就寝、20時起床。目論見通り昼夜逆転に成功した。
22:15自宅発。出発時距離計16,777km。職場にちょこっと立ち寄り23:30米子着。まだ誰もいないようなのでコンビニに買い出しに行く。45分頃に入るとかたつむりのレーシングMINIを積載したトラックと、MINIが二台。やがてもう二台。しばらく待つ。まさに23:59かたつむり主人の乗るハイラックス現れホーン一発

04/22(日)2001 晴
午前0時だ出発だ。積載車を先頭に適当に隊列を組んでわらわらと発進。 これだけの台数で走るのは楽しいけれど夜なのでよく見えないのとあまりスピードが出せないのが残念。巡航速度は80から100km/h。ときには60km/hくらいまで落ちる。高速道路をこんなにゆっくり走るのは初めてだ
中国道に入り勝央SAで倉吉からの二台と合流、美作から一般道へ。暗闇の山道を走り会場であるTIサーキットへ向かう。
2:30TI着。距離計は16,962km。ゲートでチケットを出して入場。私は「こんばんは」と言ったが係の人は「お早うございます」と言った。
真っ暗で何がなんやら判らぬままに駐車場に入る。もう大分MINIが並んでいるようだ。ファミリー走行の受付は6:30からなのでしばし仮眠だ。期待を胸に抱いたまま、助手席の背を倒して眠ろうとするがあまりの寒さに眠られず。空は満天の星

結局まったく眠れぬまま、空も白んできた5:00頃起き出す。周囲の人々も車体を拭いたり英国ナンバーに替えたり、徐々に活動を始める。やがて車の数も増えてきた。今日は快晴だ。
7時前、トンネルを抜けてパドックに入る。スタッフに導かれて整列駐車。中には祝祭的な空間が広がっていた。空にはためく万国旗、ショップ村は既に開店し始めている。多くの人がわさわさと動き、そしてなにより早朝の光に照らし出された沢山のMINI
受付を済ませ、ゼッケンを車体に貼る。ゼッケン番号は74番

俯瞰1 74号 俯瞰2

ファミリー走行は11時から。それまでの時間はショップ村を物色したり、居並ぶ一面のMINI及び英国車を見て回る。時間はたっぷりあるけれど少しも退屈しない。スポーツ志向にクラシック主義、長物系に全くのノーマル、スーパーセブンにジャギュアEタイプ、MGミジェットやオースチンA35なんてのもいるしMK-1やMK-2もごろごろしている。一台として同じ車はいない心躍る時間である。

万国旗 ミラーの中にセブン オースチンA35

ふと我がMINIの二列隣を見ると、緑色のカントリーマンの傍に大きな写真機を抱えた人物を発見。ヘッドライトの前にしゃがみ込み、何やら凝ったアングルで撮影せんとしている。見覚えがある顔だし、カメラはEOS。そしてカントリーマンときたらこれはみかみかさんに違いない。思い切って話し掛ける。みかみかさんは好感の持てる爽やかな関西人であった。写真機片手に走りまわる姿も軽やかで好もしい。ネット上の知り合いに会うってのは不思議な感じだけど嬉しいね。
そういや雁乃助氏Qさんも来ていたはずだが結局会えず仕舞いでした。だって探しようがないんだもの。残念。

さあファミリー走行だ。サーキットを走れるとあって否が応にも期待が高まる。持ち時間は30分。スタッフの誘導で続々とコースに入るが、なんたって追い越し禁止がルール、すぐに前の車に追いついてしまう。まあ、ある程度スピードの出せる直線に続くコーナーではサーキットらしく走れる。GranTurismoなど思い出しながら走るがやっぱり難しいね。
しかし二周目三周目となると黄色い旗が振られ、ほとんどコース内渋滞となる。三周で終了し、ふたたびパドックで整列駐車。
渋滞のおかげで思うように走ることが出来ず、正直なところそんなに楽しくはなかった。しかしまあ危険は少ないってことだね。これは是非同乗者とともに参加するべきだ。サーキットを気軽に走れる貴重な体験であったことは確かだが。

出走直前 ファミリー走行

午後もたっぷり時間がある。ショップ村やフリーマーケットを見て回ったり、スプリントレースを見て過ごす。同じMINIとは思えないくらい早い。響き渡る爆音。矢張り生で見ると面白さが判りますな。

リタイヤ
リタイヤした97号。ドライバーは何を思うか。

レースの表彰式に続き、やがてクイズ大会が始まるらしい。優勝者には20万円くれるという。何となく面白そうなので参加してみよう。
コース内には数百人はいようかという人がひしめく。クイズは○×方式で、正解と思った方に移動するやり方だ。問題は結構簡単。MINIに関係があるのは「車検証に記されたサルーンの全長は年式に関わらず305cmである」とか「MOKEは英国陸軍に売り込むために開発された」ってのくらいで大半は関係ない問題。 「炒飯は炊いた米を炒めるがピラフは炒めた米を炊く」とか「郵便は貯金で銀行は預金である」なんて感じ。ね、簡単でしょ。
何問かが終わるもなかなか正解者が減らない中、出されたのがこんな問題。「BMCはBritish Motor Companyの略である」。正解は×だよね。British Motor Corporationだもの。と、確信を持って×の側に移動するとなんと×と答えたのは6人のみ。百人近く(たぶん)が一斉に脱落し、なんと決勝に残ってしまった!
スタッフに案内されてコース上に置かれたトレーラーの上へ。大勢に注目されて気恥ずかしい。決勝の問題も相変わらずMINIにはあまり関係がない。4人が続々と脱落。とうとう2人になってしまった。「赤貝の血は赤い」とか「2人でジャンケンをしても3人でジャンケンをしても勝つ確率は同じである」とか、そんなこと知るか!ってな問題ばかりで2人とも間違いを繰り返す。なかなか決着が付かず会場からブーイングが起こり始めたそのとき出たのがこんな問題。「一億円の預金通帳を拾ったら、お礼に一千万円現金でもらえる」。うーん、なんだか分かんないけど×でいいや。と、もう一人の人は。初めて答えが分かれ、何と私は優勝してしまったのであった。20万円もらってビックリである。
MINIのお陰で手にした20万円。これはやはりMINIに返してやらねばならない。20万円分整備してもらうかな。

その後もさんざんうろうろ。大分歩いたね。スポーツ走行の人たちも十分に早い。ファミリー走行は物足りないがスポーツ走行には怖くて参加できない。中間くらいのレベルがあるといいのだが。そういや腹減ったので屋台で焼きそば買ってたら妙に愛想のよいパンダにビールをねだられたぞ。買ってあげたら右手の中にしまってた。着ぐるみってたいへんなのよね私も経験あるけど。真冬でも汗だくになるし息苦しいし視界は無いに等しいし。
ちょっと疲れたので車内で仮眠をとる。天気は快晴だけれど風が冷たかったので、暖かい車内は気持ちがいい。傾いた日差しが幼い日の夕方、プール帰りの記憶を呼び起こす。

夕方5時前、いよいよMini Jack最後のイベント、フィナーレパレードだ。参加車両見学車両全てのMINI及び英国車が参加し四列縦隊でコースを走る。
茜差すサーキットを数百台のMINI及び英国車が埋め尽くす。その瞬間からすべてが思い出になってゆく。晴れやかでありながらもの悲しい体験だ。今、自分は確かにここにいる。誇らしいこの時間はしかし瞬く間に過去に置き去りにされていく。もう二度とこの瞬間に戻ることは出来ない
ドライバーたちは止まらぬ時間を止めるべく写真やビデオを撮りまくる。助手席に三脚据えて、DVcamを回しながら走る車も居る。勿論私もめくら撃ちでデジタルカメラのシャッターを押しながら走る。
しかし皆おとなしいものだ。なぜホーンを鳴らさないのだろう。一昨年の夏ヨルダンの田舎町で夕暮れ時に遭遇した結婚式の隊列、ゆっくりと走りながらホーンを鳴らす鮮烈な光景が私の脳に甦る。
コースを二周ほど走り、とうとう別れのときは来てしまった。MINIと共に結婚式を挙げたカップルにホーン一声、ピットロードを抜けてゲートに向かう。途上には何組ものスタッフが手を振って見送ってくれている。ホーンを鳴らす。他の車両からもホーンが鳴らされ始める。嬉しくも悲しい。ゲートを出る。さらばMini Jackよ。TI 発17:35。距離計は16,993kmを指している。

パレード01パレード02
パレード03パレード04

さあ帰ろう。しかし慣れない道、来たのは夜中となればこれは迷うね。取り敢えずGSを見つけたので給油。出発時に満タンだった燃料計は半分を指している。12.6l給油。高速長距離走行のお陰で18.49km/l!というこれまでで最高の低燃費を記録した。
勘を頼りに走るがやっぱり何処に居るのかよく判らなくなる。 しかしどっちに行ってもMINIに出会うのは心強い限り。でも行き先はバラバラなんだよな。どっちに行ってもMINIが居るってことは却って迷うよな。という訳で諦めて地図を見る。最初から見ろと言われればその通りだが私はそんな性格なのだ。
ようやく正しい道に付き、大阪ナンバーのMINI数台と共に走って中国道へ。ご同役がいるに違いないと思い、勝央SAに立ち寄る。案の定広島ナンバーが二台、そして鳥取ナンバーのたまご色MINIが。かたつむり組の一台である。「みんな先に帰っちゃったのかな」なんてちょっとだけ話をして出発。
米子道への分岐までは広島ナンバーの二台とともに走る。巡航速度は約100km/h。互いに誰かも知らないしコトバを交わす訳でもないが、そこには確かにコミュニケーションがある。
後続の広島ナンバーMINIと手を振り合って米子道に入る。120〜140km/hに加速。もう周りにMINIは一台もいない。日が暮れた高速道をひた走る。

21時松江着。距離計は17,181km。とても草臥れたが不快ではない。こうして祭りの一日は終わった。これからは気恥ずかしさを越えて、すれ違うMINIに気軽に手を振ることが出来そうだ。

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