2003年出鱈目自動車旅行
01/11-01/28/2003

01/11(土)2003 ?
約二ヶ月ぶりに休みである。しかもたっぷり一週間。なので京都奈良方面に出鱈目な旅に出るつもりなのである。ということで点火系軽整備に着手。
まずは点火プラグの交換である。「エアコン付き車用プラグレンチ」なる高価な専用工具を用いてプラグを外す。ヘインズマニュアルの写真と見比べてみると焼け方は正常のようでこんがり。買い置きの同じ番手のプラグを取り付ける。NGK BPR5EY。34,447km

使用済みプラグ

01/13(月)2003 ?
何故か一日経ってしまった(丸一日眠っていた)が作業の続き。ディスビのポイントコンデンサーキャップも取り替える。難しくはないがそこそこ面倒。さあ交換終了でエンジン掛けようとするがスターターが回るばかり。あれ?そういやローター付けたっけ?ってなことでローターも新品に交換だ。やはり調子よくなりましたね。いちばんはプラグだろうけどアイドリングの振動が小さくなったし。34,452km

ディスビ
全部交換するぞ。

01/15(水)2003 曇/雪/晴
午前0時5分、強風の吹く東京を出発である。距離計は34,503km出鱈目な旅、取り敢えずの目的地は京都だ。東名から名神へ。ひたすら走り続ける。
米原とか関ヶ原のあたりで心配したが降り始める。05:47多賀SA着、34,962km。このSAには風呂があり、休憩室で横になることも出来る。ここで夜を明かすことにする。

多賀SAの朝

午前8時、多賀SA発。しかし出発した途端猛烈な眠気に誘われ、次のPAに入って車内で眠る。
改めて午前10時発。まだ雪はしょぼしょぼと降り道は混んでいる。が、11時前には京都市内に入り銀閣寺近くにコインパーキングを見つけて駐車。35,027km

銀閣寺から南禅寺へと歩く。京都に来ると必ず来る場所である。雪は止んで空は晴れ。雪化粧の銀閣寺。とても楽しい。

雪の京都と銀閣寺銀閣寺雪景色檜皮から湯気が上る
南禅寺方丈南禅寺水道橋

京都駅の観光案内所でホテルを紹介してもらう。ホテル着19:1535,136km。また雪がちらついてきた。本日の走行距離633km

01/16(木)2003 曇
10:30ホテル発。まずはコイン洗車場を探し回る。冬の高速を長距離走ったことのある人なら、融雪剤で車体が如何に白く汚れるかはお判りであろう。錆は出来るだけ避けたいし何より相当に汚いのである。昼頃にようやく発見して高圧放水で塩化カルシウムを洗い流す。
晴明神社に赴く。高校の頃、『帝都物語』を読んで以来行ってみたいと思っていたのである。神社自体は聞いていたとおりごく普通の新しめの神社であった。もちろん至る所に五芒星が。近くには安倍晴明がその下に式神を飼っていたという一条戻り橋がある。降りることが出来たので橋の下まで行ってみた。勿論何もない。

晴明神社 一条戻り橋

時はもう夕方、奈良に向かう。なんとしても東大寺大仏を見たい。四時頃に東大寺着。十数年振りに見る大仏は矢張り相当大きい。これはスペクタクルだ。実に楽しい。

東大寺大仏殿 大仏

そしてこの後、私は大和高田市へと向かうのである。そこにはぴっこりさんが待っているのだ。携帯メールと電話でやりとりしながら見知らぬ道を進む。午後六時過ぎにぴっこりさんのお店に到着。今回初めて知ったのだがぴっこりさんは美容師なのである。勿論初対面。ぴっこりさんは私よりもちょっと年上。長髪を後ろで束ね、数日前にたくわえ始めたというヒゲ。穏やかな風貌である。
ぴっこりさんが私の連絡メールを見たのは今朝のこと。わざわざ家に取って返して赤い1964年式モリス・ミニ・トラベラーに乗って来てくれていた。とてもきれいでいい雰囲気だ。いつかは所有してみたいものだ。TEXのフェンダーミラーが可倒式とは驚いた。

赤虎前赤虎後
赤虎中ぴっこり氏

ぴっこりさん行きつけの沖縄料理店でいっしょに食事の後、高速の入口まで送っていただいて別れる。矢張り同好の士との話は楽しい。関西圏のミニ乗りの活動はなかなかの広がりを見せているようだ。
高速で池田市まで出て、一般道を北へ向かう。山越えは少し心配ではあったが雪もなく凍結もしていないようだ。翌0:55福知山着。一面の霧に覆われきわめて殆ど前が見えない。駅の案内板で24時間チェックイン可能なビジネスホテルを見つけて投宿。35,429km。この日の走行距離は293km。明日の目的地は米子、松江だ。

01/17(金)2003 曇/晴
10:03福知山発。国道9号線を西へ向かう。目的地は鳥取県米子市、ガレージかたつむりだ。タペットカバーからオイルが少し滲んでいるので診てもらう積もりだ。長距離トラックに続いて雪解けの峠を越えたりしているとまたまた融雪剤で車体は真っ白。フロントウインドウも真っ白。やがて右手に日本海が見える。

日本海 白い窓

14:10米子かたつむり着。35,648km。ここに来るのは約一年半振りだ。相変わらず「これが店か?」的オンボロ建物。親父殿と小母さんと常連の人たち。変わりなし。早速診てもらえることに。タペットカバーを外してみると矢張りOリングが傷んでいるので交換。ついでにタペットカバーのガスケットも替えてしまおうということに。古いコルクを剥がしてスクレーパーで削る。と、ここでクラッチフルードがかなり減っていることが発見される。ちゃんと見ているか?と怒られる。うーむ確かに前見たのは何時だったろうか。フルードを注ぎ込む。クラッチのレバー部分にもちゃんとグリスを注せということで隙間からあそこを狙うのだと教わる。
キャブのダンパーピストンを外してみた親父殿、当たり方が均一でないという。確かに削れて出来た模様は波打っている。新品に交換。

ダンパーピストン

タペットカバーにガスケットを付け、接着剤が乾くまで店内で話す。先週TIサーキットで開かれたHOTDOG3時間耐久に参加し、1000Nクラス優勝総合3位の成績を修めたのだそうだ。東京で車を持つ生活、どのショップに行っているかなど話す。かたつむりに来る人の可成りがこのサイトを見ていると言う話はそうだろうなと思うけれどもやはり面はゆいものだ。

というところでタペットカバーを取り付け、エンジンを掛ける。アクセルペダルを踏んでみるとこれが全然違うではないか。格段に軽く回る。「かたつむりマジックと言われるけどマジックじゃないんですよ」と親父殿。燃料タンクにFUEL 1を入れ、しばらくエンジンを掛けておくことに。
親父殿これから頼まれてオートバイを診るのだという。松江の後輩Kに電話、今夜泊めて呉れるように頼む。 オートバイ整備に伴う物品の移動などを手伝った後、すっかり日も暮れたのでかたつむりを辞する。
20:55松江着。35,687km。本日の走行距離258km

かたつむり外観 かたつむり中庭

01/18(土)2003 曇/雨
後輩Kはマラソンが趣味なのだ。宍道湖の回りを一周走るという集まりがあるので朝早く出掛けなければ行けない。なので出発は朝8時過ぎなのだ。RENAULT 4 GTLと二台でしばらく走って別れる。因みにこのキャトル、大きなトラブルはないようだがこの間燃料ホースが破れてガソリンがダラダラ漏れていたそうである。

後輩Kとキャトル キャトル走る

市内をうろうろしたりして時間をつぶした後、出雲大社に向かうのである。が、その前に一畑薬師に立ち寄り。神社仏閣にばかり行っているのである。一畑寺は山の上。一面灰色の山陰らしい空、人影もなく底冷えのする日。
農道を飛ばして大社町へ。旧国鉄大社駅そばの店で出雲蕎麦を食う。雨がバシャバシャ降っている。あまり細々と見たことはなかった出雲大社の境内を改めて隅々までうろつく。さらに日御碕灯台日御碕神社へ行き、九号線に回って玉造で温泉に浸かり松江に戻る。35,864km。本日の走行距離177km

一畑薬師からの眺望旧国鉄大社駅
出雲大社本殿前日御碕灯台にて

そして松江時代の同僚諸氏と再会。殆ど朝までを飲んだ後、元職場のソファで眠ったのであった。

01/19(日)2003 曇
10:30に松江を出発。出鱈目な旅を終わらせて東京に戻らねばならないときが遂に来てしまった。しかしまだ真っ直ぐは帰らない。兵庫県は西宮のPENNY LANEに行ってみる積もり。ホントはみかみかさんが来ている予定だったのだが、なんとインフルエンザで寝込んでしまったという。残念ではあるがどんな店なのか行ってみたいとは思っていたので予定通り向かうことにする。
米子から高速に乗り中国道を西宮北で降りる。走ること15分、果たしてこの道でいいのか?と思った途端に路傍に発見英国旗。道路から一歩入ると広い空間が現れる。東京ではあり得ない贅沢な広さ。右側の建物がカフェ、左側が工場。14:1036,137km

ペニーレーン・カフェ ペニーレーン・工場

カフェに入ってお茶を飲む。きちんとポット入りの紅茶なのが有り難い。病床のみかみかさんから何人かの人に声を掛けていただいていたので店内を眺めながら待つ。すると何故かボンネットだけ白い一台のサルーンが登場。けんけんけんさんという方であった。この日は朝からクラブのミーティングがあり、エステートで来ていたのだが雨が降りそうなのでサルーンに替えてきたのだという。

けんけんけんさんの案内で店の中を見て回る。ショウルームには雰囲気のある古いパーツや貴重な車両が並ぶ。そして工場では店の人と並んでみかみかさんけんけんけんさんもメンバーであるアップトンレーシングチームの人々が作業中だったのであった。なんとも羨ましい環境なのである。誰もがレースをやりたいと思えども自分の車は壊したくないのでレースカーを作りたいが車両はなんとかしてもどこに保管するんだとかなんとかで二の足を踏んでいるのであるから。
てな訳でけんけんけんさんとアップトンの会長さんとともにお茶を飲みながら話していたのであるがアップトンの皆さんはかたつむりのミニがなぜそんなに速いのかとても気になる様子である。具体的にどんないじり方をしたのか私は知らぬがあの親父殿は変わったことをしない主義なので秘密はないのであろうと答えておく。これ以上の発言は責任が取れない。

けんけんけんさん&アップトン会長 けんけんけんミニ

日も暮れなんとする頃PENNY LANEを経ちいよいよ東京へ向かうのである。今から向かえばそう遅くない夜中に辿り着くことが出来るし、場合によっては往路と同じパターンで足柄SAにあるという風呂に入ることも出来るのである。
てな訳で東名をひた走るのである。これだけ長距離を走り続けていると流石に腰が痛くなってくるのだ。車内に積んである毛布を座席と腰の間に挟んで運転する。走ること数時間、特に渋滞もなく順調な足取りであるが例によってガソリンがなくなってくる。足柄SAまではもう少しだが今のうちに入れておくか、と富士川SAに入ろうとするが入り口付近で本線が突然渋滞している。路側帯によけつつ富士川SAに入り給油所へ。時刻は23時過ぎ
給油所の人の話ではどうやらすぐそこで事故があったらしい。しかもついさっき。車の列は見るからに動きそうにないのでやむなくSAで休憩。ご同役数多し。私はひたすら本を読む。せめて風呂がある足柄SAにまで辿り着いていたかった。

4時頃SA発。四時間以上閉じこめられていたのである。もっとも実はそれより少し前、動いていた気配はあったのだが本が面白くて読み終わるまで止められなかったのである。東京到着後得た情報はこの通り。
「東名高速で車20台絡む多重事故 8時間通行止め  静岡県富士川町岩淵の東名高速上り線富士川サービスエリア付近で19日午後11時ごろ、大型トラックや乗用車など20台が絡む衝突事故があり、7人がけがをした。  県警高速隊の調べでは、先頭を走っていた大型トラックが中央分離帯に衝突、横転し、後続の車両が次々と衝突したという。この事故で、清水−富士インター間が約8時間通行止めとなり、最長3キロ渋滞した。」
まあ巻き込まれなくてよかったとしておこう。30分早かったら可能性はあった。

てな訳で20日07:15に東京の自宅着。36,741km。全行程2,238kmの旅であった。

01/20(月)2003 曇
と、帰ってきたその日の夕方起きた私は明日から仕事なのでやれることは今日やっておかねばならない。なのでオイルを抜いた後に安オイルを入れ、フラッシングを兼ねてオイルを買い出しに行く。そしてオイル交換。勿論今回はフィルターも換える。
で、オイルが冷えるのを待つ間にグリスアップを行うが、右側が終わったところで買い置きのグリスがなくなってしまう。困ったがやむを得ないので中断し、タイヤローテーションのみ行う。終了時の距離計36,771km

01/28(火)2003 ?
ネット検索で発見したホームセンターでグリスを買ってグリスアップの残りを実行したのである。東宝日曜大工センターは都内では貴重なホームセンターの一つであり品揃えもなかなかなのだが、いったい禿頭の原始人は何者だろう。だ。

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